サンフランシスコ湾からぶどう畑へ：サンフランシスコからカリフォルニア州のワインカントリーへ

シンガーのトニー・ベネットが「サンフランシスコはいつだって心のふるさと」と歌っていた理由は簡単に理解できます。カリフォルニア州のセントラルコーストに面するサンフランシスコ湾と太平洋に挟まれたコンパクトなダウンタウン地区は、昼夜を問わずエネルギッシュでエキサイティングです。市内の見どころ同士はそう遠く離れていないので、移動は簡単です。だからこそ、サンフランシスコの北の街を訪れて、アメリカのベストワインを味わう時間までも充分確保できるというわけです。今回はサンフランシスコとワインカントリー両方の魅力をたっぷり味わう 1 週間の旅のモデルコースをご紹介しましょう。

サンフランシスコ滞在の初日は、サンフランシスコのシンボルであるゴールデンゲートブリッジ（Golden Gate Bridge）の観光からスタートします。ゴールデンゲートブリッジは、幅約 5 キロのゴールデンゲート海峡を挟んでサンフランシスコとマリン郡を結んでいます。この吊り橋は、20 世紀最高の建造物として称賛されています。

1日のスタートに、ゴールデンゲート国立保養地（Golden Gate National Recreation Area）のクリフハウスから日の出を眺めましょう。その後は 14 キロのカリフォルニアコーストトレイルからランズエンド、シークリフ地区など市内有数の風光明媚な場所を通り、ゴールデンゲートブリッジに入ります。

サンフランシスコで忙しい 3 日間を過ごしたら、ゴールデンゲートブリッジを渡って車を約 70 km 走らせ、ソノマバレーへ向かいましょう。

ソノマバレーでワインテイスティングを楽しむなら、ソノマ・バレー・ワイン・トロリーがお勧めです。ワイン愛好家を乗せて人気のワイナリー 4 ヵ所を巡るこのトロリーを利用すれば、この地域で最もおいしいワインを数種類テイスティングできます。席に限りがあるため、事前の予約が必要です。

あるいは、自転車でワイナリー巡りをするのはいかがでしょう。レーベンスウッドワイナリー（Ravenswood Winery）やブエナ・ビスタ・ワイナリー（Buena Vista Winery）など、ソノマの町から自転車で回れる範囲内に数軒のワイナリーがあります。ヒールスバーグやサンタローザをはじめ、他の町から出発して徒歩でぶどう園巡りをするのもよいアイデアです。1 日の終わりには、ソノマスクエア近辺に店を構える家族経営のレストランで、地元産のワインを片手にファーム・トゥ・テーブル（農地直送）の食事をゆっくり味わってください。

ソノマで 1～2 日過ごしたら、東に向かって約 23 km 車を走らせ、カリフォルニア州有数のワイン生産地であるナパへ向かいます。ここには、お城のようなワイナリー、グルメなレストラン、趣のある B＆B のホテルがあります。

車を置いてナパ・バレー・ワイン・トレインに乗り込んだら、後は気楽に楽しみましょう。所要 3 時間の鉄道の旅には、車内でのおいしい食事も含まれています。様々なオプションや、少人数でのワイナリーツアー、テイスティング、宿泊が含まれたパッケージを利用できます。

列車に乗る前に、ナパのダウンタウンに位置する駅の隣にあるオックスボウ・パブリック・マーケット（Oxbow Public Market）を覗いてみましょう。毎日開いているこのマーケットには、新鮮な農産物から自家製チーズや肉、地元焙煎のコーヒーやアルチザンチョコレートまであらゆるものを売っている商店やレストランがずらりと並んでいます。

でも、ナパバレーは上空から眺めるのが一番よいのかもしれません。緑に覆われたぶどう畑のパノラマビューを楽しめる熱気球ツアーは多くのツアー会社で扱っています。ナパや、ナパの北西約 25 キロの場所にある美しい村カリストガを出発地点にしているツアー会社もあります。